皮膚の病気は様々あり、ほくろのガンとして知られるメラノーマは、早期に処置しないと死に至る病として知られています。皮膚科に訪れる患者の中には、メラノーマすなわち悪性黒色腫のように重篤化する疾病を抱える人もいますが、概して命にかかわるケースが少なく、看護師の心理的負担は比較的小さいと言えるでしょう。ただし、皮膚科には幼児から高齢者まで老若男女を問わず様々な患者が訪れます。したがって、肌が乾燥する時期や逆に水虫が発生しやすい湿潤な季節には、集中して患者が押し寄せることもあり、職務に忙殺されることも珍しくありません。
皮膚科の看護師が患者に施す処置介助は種類が多いです。特に傷の手当が多く、消毒してから軟膏等を塗布し、包帯やガーゼなどの保護材で覆う作業が中心となります。包帯の巻き方は重要です。関節部分などに巻く場合は意外と難しく、すぐ解けてしまうような巻き方は論外であり、見た目も綺麗に巻き上げる必要があります。
また、良性腫瘍やイボを液体窒素で凍結し、除去する処置も行います。マイナス200度の液体窒素を使用する際には、患者が痛みを感じるため、事前に十分説明しておかなければなりません。これを怠ると、処置中に患者が動いてしまって液体窒素が他の部位に付着し、クレームを生じる原因になります。魚の目や角化症は、剃刀で取り除くこともあるため、除去部分の周囲を傷つけないよう、細心の注意が必要です。
そして、日常生活の指導も、皮膚科の看護師の重要な役割と言えるでしょう。皮膚の疾病の原因は、心理的ストレスをはじめ日光やハウスダストから観葉植物やペットまで様々なものがあります。こうした原因を取り除くためにも、看護師は患者の生活改善を求めることが欠かせないとされています。